保険が「元が取りにくい商品」になってしまうカラクリとは?
前回は保険は「元が取りにくい商品」であるというお話をしました。
今回は、そうなってしまうカラクリについて考えていこうと思います。
そもそも保険とはどういうものなのかというところから話していこうと思うのですが、保険とは「自分で請求しない限り保険金がもらえない金融商品」であるということは忘れてはいけないポイントです。
あまり保険に対して金融商品という認識をお持ちでない方が多いように感じますが、保険も金融商品の一つになります。
ここで重要になるのが、「自分で請求しなければ保険金がもらえない」ということです。
当たり前のことなんですが、意外とここの認識が欠如している方が多いようです。
自動車保険についてはこの感覚を持っている方が多いようですが、生命保険や医療保険については何かあったら保険屋さんがお金を持ってきてくれるというような感覚の方が結構多い印象です。
では、実際に請求するためには、どういうときに請求できるのか、どうやって請求するのか、ということを把握しておく必要があるわけですが、すでに保険に入っている方とお話しすると、保険に入っているということは把握していても保障内容を把握している方はほとんどいません。
ひどいケースだとどこの保険会社の保険に入っているのかすらわからないという方もいらっしゃいます。
当然問い合わせ窓口がわからないわけですから、保険金の請求方法なんてわかるはずもありません。
そうやって請求されなかった保険金はどうなるのでしょうか?
意外に知られていないことですが、保険会社の利益になっていきます。(保険金請求の時効は基本的に2~3年)
これ、別に保険会社がズルしているわけではないんですよ。
保険会社からしてみれば、「だって言われなかったもん!」ということですから。
そもそも、保険に加入する方の意識に問題があるのです。
保険て「加入して満足する」すごく不思議な商品なんです。
保険に入っているという「安心感」を買っているとでも言いましょうか、保険金をもらうことがなくてもなぜか納得してくれるお客様が多いんですね。
そして、家の次に高い買い物と言われているにも関わらず、「お付き合い」や「なんとなく」で保険加入する方が非常に多いわけです。
でも、そうなってしまうのにも理由があると思っています。
「保険のことを教えてくれる環境がない」からです。
お客様とお話をさせて頂くと、保険は難しいと思っている方が非常に多いのですが、ちゃんとポイントを押さえていけば、そんなに難しいものではないんです。
ただ、そのポイントを教えてくれる人がなかなかいないんですね。
なぜなら、保険の良し悪しを見抜ける知識をお客様に与えてしまったら、売れなくなってしまって困る人達が保険を売っているからです。
保険の営業マンは「保険を売って生計を立てている人」です。
当然、自分の取り扱っている商品を売らなければ評価にならないわけですから、他社にいい商品があったとしてもそれをオススメするわけにはいきません。
そして、ノルマに追われている営業マンも非常に多いので、お客様目線の営業なんてできなくなっていきます。
つまり、保険を難しいものにしているのは営業マンの都合だと私は考えています。
ただ、これは何の業界にも言えることですが、商売の一つの側面として、「情報弱者を食い物にする」という側面があるのは否めないと思います。
もちろん、こんな商売のやり方では長く繁栄することはないわけですが、そうやって犠牲になっていくお客様が一定数いるのも間違いないと思います。
私自身様々な仕事に就いてきた中で、散々感じてきたことです。
昔と違って、今はインターネットのお陰で情報が手軽に手に入る時代になりました。
営業マンの都合に振り回されないように、ご自身の大切なお金を有効活用するためにも、賢い消費者になっていきましょう。
このブログの情報がその一助になったら幸いです。
次回は、「良い保険に加入するために考えるべきこと」について書いていこうと思います。